墓じまいの手続きの流れ7STEP|必要書類をそろえてトラブル回避

22年4月23日 公開 更新
監修:終活カウンセラー竹田 繁紀

「お墓の管理が難しい」「中々お参りができない」など様々な理由から、墓じまいを検討する人もいることでしょう。
しかし、実際に墓じまいをしようとすると、どこから手を付けたら良いのかわからないものですよね。

そこで今回は、墓じまいの手続きの流れについて解説します。
墓じまいの必要書類や忙しくてなかなか進められない場合の対処法についても解説するので、ぜひ参考にしてください。

墓じまいの手続きの流れ

墓じまいの手続きの流れ

じまいにおける手続きの流れは、以下のように7つの段階に整理できます。

<墓じまいの手続きの流れ>
1.お墓の名義人や親族と相談する
2.現在の墓地管理者・菩提寺に相談する
3.役所で墓じまいの書類手続きをする
4.遺骨のメンテナンスと閉眼供養をする
5.墓石の解体工事をする
6.離檀料を支払う
7.遺骨を改葬先に納骨する

ここではまず、7段階の手順についてそれぞれ詳しく解説していきます。

1.お墓の名義人や親族と相談する

墓じまいをするにはまず、お墓の名義人や親族と相談をすることが非常に大切です。

お墓には墓地の使用権利者がおり、墓じまいをしたいと考えた人が権利者でない場合や親族で共有する形になっている場合は、法律上の問題により権利者の合意が必要となります。

また、もし墓じまいをしたいと考える方が権利者本人であったとしても、お墓の管理は親族全体に関わることです。
親族はお墓を守っていく義務はなくても、故人に会うため自由にお墓参りする権利はあるので、親族間トラブルを避けるためにも事前に親族全員と相談をして合意を得ておく配慮が大切でしょう。

親族と話し合っておく内容としては以下のようなものがあります。

・そもそも墓じまいをすべきかどうか
・費用負担はどうするか
・改葬先はどうするか
・お墓の解体業者はどうするか

このような内容を親族全員と詳細に話し合い、しっかりと合意を得たうえで手続きを進めていくことが肝心です。

2.現在の墓地管理者・菩提寺に相談する

親族での話し合いがまとまったら、現在の墓地管理者・菩提寺に相談をしましょう。

墓じまいの手続きにあたっては「改葬許可申請書」への署名捺印や「埋葬証明書」の発行を墓地管理者に依頼する必要があります。
寺院墓地であればお寺、霊園であれば管理事務所に相談しましょう。

親族とだけでなく、菩提寺とも墓じまいの際の離檀料に関してトラブルが発生することがあり、事前の丁寧な話し合いと了承が大切です。

3.役所で墓じまいの書類手続きをする

墓地管理者や菩提寺に墓じまいの了承を取り付けたら、次は役所に行って墓じまいの改葬許可証をもらいます。
墓地がある市区町村に、必要な書類を提出しましょう。

役所に提出する墓じまいの手続き書類には、以下のようなものがあります。

<墓じまいに必要な手続き書類>
・埋葬証明書
・受入証明書
・改葬許可申請書

ここでは、それぞれの手続きの手順や必要書類の取得方法・申請方法について詳しく解説します。

①現在のお墓の「埋葬証明書」を取得

埋葬証明書とは、火葬したご遺骨をお墓に納骨する際に必要となる書類であり、改葬する場合にも必要になります。

埋葬許可証は、現在の菩提寺や墓地管理者に発行してもらうことが可能です。
民営霊園や公営墓地であれば管理事務所、寺院墓地であればお寺に発行を依頼しましょう。
各自治体や墓地管理者によって項目や様式は異なるものの、埋葬許可証には以下のような項目が記入されている必要があります。

<埋葬証明書の記入項目>
・遺族代表の墓地使用者の住所、氏名、捺印
・菩提寺の署名・捺印
・遺骨の氏名
・埋葬証明書の発行年月日

埋蔵証明書が不要で改葬許可申請書に署名捺印をするだけで良い場合もありますが、詳しくは各自治体に確認しておきましょう。

②新しいお墓の「受入証明書」を取得

受入証明書とは、新しい墓地の契約を証明する書類です。

改葬先の管理者が契約時に発行してくれるので、なくならないように保管しておきましょう。
各自治体や墓地管理者によって様式は異なりますが、受入証明書には基本的に以下のような項目が記入されている必要があります。

<受入証明書の記入項目>
・申請者の住所、氏名、捺印、故人との続柄
・遺骨の氏名、住所、本籍地
・改葬先の名称、住所、捺印

受入証明書が必要か否かは自治体によっても異なりますが、基本的には必要だと考えておきましょう。
気になる場合は、事前に確認することをおすすめします。

③役所から「改葬許可申請書」を取得

改葬許可申請書とは改葬許可証の交付を申請するための書類であり、申請先の役所にて取得可能です。
各自治体の役所窓口だけでなく、ホームページからも入手可能な場合も多いので確認してみましょう。
改葬許可申請書には、以下のような項目が記入されている必要があります。

<改葬許可申請書の記入項目>
・遺骨の本籍、住所、氏名、性別、死亡年月日、火葬(埋葬)年月日、申請者との続柄
・申請者の住所、氏名、捺印
・墓地使用者の住所、氏名、捺印
・現在の埋葬墓地(霊園)名、管理者氏名、住所、捺印
・改葬先の墓地(霊園)名、管理者氏名、住所、捺印

改葬許可申請書は、どの自治体でも遺骨1体に付き1枚必要です

①~③を役所に提出

埋葬証明書と受入証明書、改葬許可申請書の入手と記入が済んだら、全てそろえて役所に提出しましょう。

ただし、場合によっては以下の書類が必要になる可能性もあります。

<必要になる可能性があるもの・書類>
・改葬申請者の身分証明書(自治体によっては提出を求められる)
・墓地使用者の承諾書(改葬申請者と墓地使用者が異なる場合)

墓地使用者の承諾書は、役所の窓口やホームページで記入フォームを入手できます。

4.遺骨のメンテナンスと閉眼供養をする

役所での手続きを終えたら、実際の工事に移る前に遺骨のメンテナンスと閉眼供養をすることが必要です。

いくらお墓を大切に管理していたとしても、長期間お墓の中に安置されていたご遺骨にはカビが生えていたり溶解していたりすることがあります。
骨壺の中にはほぼ間違いなく水が入っていますので、水抜きをしてあげましょう。

カロート(お墓の納骨室)から骨壺を取り出し、排水溝など水を流して良い場所まで運んで骨壺の蓋を押さえたまま横にしてみてください。
蓋の隙間から少しずつ水が出てくるため、水が出なくなるまでその状態にしておきましょう。

また、お墓の解体前には閉眼供養の実施も必要です。
閉眼供養とは現在の墓石から仏様の魂を抜き、墓石を元の石に戻すため供養のことを指し、魂抜きや性根抜きなどとも呼ばれます。
お寺の僧侶に依頼をしてお経をあげてもらうため、お布施(3~5万円程度が相場)をお渡しするようにしましょう。

5.墓石の解体工事をする

役所への手続きが済んだら石材店に依頼して、いよいよ墓石の解体工事を進めます。

寺院墓地や民営霊園の場合は指定の石材店が決まっていることも多くありますが、指定がない場合は自分で石材店を探すことが必要です。
お墓を立てたときの石材店に依頼をする人も多いので、石材店の心当たりがないという方は検討してみてください。

お墓を撤去した後は、墓地を元の更地にして菩提寺・霊園に返還します。
作業に不備があると後々トラブルに発展することもありますので、作業完了後には状態を確認するようにしましょう。

6.離檀料を支払う

現在のお墓が寺院墓地である場合、墓じまいをするということはほぼ檀家をやめることを意味するため、離檀料を支払う必要があります。

離檀料とは、お寺に対してこれまでの感謝の気持ちを込めて渡すお布施のことを言います。
離檀料の相場はお寺との関係性にもよりますが、法要1~3回分のお布施と同額の、おおよそ3~20万円程度です。

離檀料はお寺によっても異なり、離檀料を受け取らないというお寺もあれば、高額の離檀料を請求するケースもあります。
なかには100万円以上の離檀料を要求されたケースもありますが、離檀料はあくまでも気持ちを示すものですから、ご自身や親族にとって無理のない範囲でお渡しするべきです。
法外な離檀料を要求されてもすぐに応じるのではなく、冷静に話し合う時間を設けましょう。

できればトラブルは避けたいですが、どうしても話が進まない場合は行政書士や弁護士への相談を検討が必要です。

7.遺骨を改葬先に納骨する

元のお墓から取り出したご遺骨は、次の改葬先に納骨します。

ご遺骨の主な改葬先は、以下の通りです。

<遺骨の主な改葬先>
・永代供養墓
永代供養墓とは、家族の代わりとして寺院に供養を任せることができるお墓のことです。
永代供養に預けたご遺骨は、一定期間個別に保管されて後に合祀にされるか、最初から合祀としてもらうかの2種類の保管方法があります。

・納骨堂
納骨堂とは、ご遺骨が納められている骨壺を安置する建物のことです。
お寺の本堂内や専用の建物内に設置されることが主流であり、屋内であるためにお墓が汚れにくく、お参りが天候に左右されないために人気があります。

・樹木葬や散骨
樹木葬とは自然の中にご遺骨を埋葬する供養方法であり、エコ志向の方や「自然に還る」というイメージを好む方に人気です。
自然に還るという意味では、ご遺骨を山や川、海に撒く散骨という方法もあります。
散骨はしっかりと調べて行わなければ違法となることもあるため、専門業者に相談するようにしましょう。

・新しく購入したお墓
もちろん、新しく購入したお墓にご遺骨を移す方法もあります。
改葬方法としては最もお金がかかるものの、元のお墓がお参りしづらい場所にあるなど立地に問題がある場合には、新しくアクセスの良い場所にお墓を購入する方もいらっしゃいます。

墓じまいの手続きは代行業者の利用も便利

墓じまいの手続きは代行業者の利用も便利

墓じまいの手続きが時間的・体力的に自分でできそうにない場合は、代行業者の利用も可能です。

墓じまいを検討する方の中には、煩雑で大変な墓じまいの手続きを行う時間がなかなか取れないという方もいらっしゃいます。

たとえば、行政書士に依頼すると改葬における行政的な手続きを代行してもらえます。

寺院や霊園とのやり取りまで代行してくれる行政書士もいますし、石材店がこれらの手続きややり取りを代行してくれることもあります。
仮に墓じまいの全てを代行業者に依頼する場合は、費用として30万~60万円程度を見積もっておく必要があるでしょう。

まとめ

まとめ

墓じまいをするにはただ墓石を解体してご遺骨を移せば良い訳ではなく、親族との合意や墓地管理者への説明、行政手続きなどを順番にこなしていく必要があります。
やるべきことを事前に整理・理解しておけば、スムーズに進めることが可能です。

時間的・体力的にどうしても墓じまいを進められないという方は、墓じまいの代行業者に依頼する方法もあるので、検討してみてください。

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